2026/06/09 14:40
小惑星ベスタ
小惑星ベスタは肉眼で見える唯一の小惑星✨
地球との公転周期の違いから一定の周期で地球に接近するため、条件が揃えば地球から肉眼で観測できるそうです。
ほとんどの原始惑星は衝突などによって失われてしまいましたが、ベスタは原始惑星の数少ない生き残りとして知られています。太陽系形成の初期条件を現在も研究できるため、標本は貴重な研究材料となっています。
ベスタ隕石の科学的価値と希少性
宇宙から届く岩石には様々な起源があり、コンドライト(原始的隕石)、鉄隕石、石鉄隕石、月隕石、火星隕石……様々ある中で、惑星を追跡できる隕石の一つとして注目されてるのがHED隕石です。
HED隕石
ホワーダイト(Howardite)、ユークライト(Eucrite)、ダイオジェナイト(Diogenite)の頭文字をとったグループ。
小惑星帯最大級の天体のひとつ、小惑星ベスタ(4 Vesta)を起源とする分化岩石です。
小惑星ベスタとは
ベスタは直径約525kmを誇る小惑星帯の巨大天体。
太陽系が形成された約46億年前、ベスタは内部の放射性元素崩壊による熱で完全に溶融し、核・マントル・地殻という層構造(分化)を持っていると推測されています。
これは地球や火星と同じプロセスであるということが、Dawnの観測データで裏付けられています。
NASAの探査機Dawn(ドーン)は2011年7月から2012年9月にかけてベスタを周回観測し、その地質構造や表面組成を詳細に記録しました。
この観測データにより、地球上のHED隕石がベスタ起源であることを裏付ける重要な証拠となっています。
そのデータをもとに隕石学会に標本が登録されました。
月や火星と違うのは、探査機がサンプルを持ち帰っていないため「ベスタ起源とされる」標本となります。
HED隕石
全隕石落下のうちHED隕石が占める割合は約5〜6%。
ベスタ表面での天体衝突で弾き飛ばされた破片は、小惑星帯を数百万年単位で漂い、木星の重力摂動によって軌道を変えながら、ごく一部だけが地球の引力圏に入り、大半は宇宙空間に散逸するか、太陽に落下すると推測されています。
中でも溶融角礫岩(melt breccia)という岩相は天体衝突の際に岩石が瞬時に溶融し、そのマトリックス中に岩石片を取り込んで固化した構造を持つため、希少性が高いです。


